第2のK-POP「ウクライナ・ポップ」とおすすめアーティスト

トランプ元米大統領の選挙活動妨害、BTSの国連での演説、HYBE社の時価総額1兆円突破。K-POPは今や世界でも突出した影響力を持つ巨大な音楽のジャンルとなりましたが、今後そのK-POPと同じように、世界的に大きな人気を博す音楽の流派を生み出す可能性のある国があります。

ウクライナ。

ウクライナ美術館やキエフ国立歌劇場など世界に名だたる演奏会場を持ち、20世紀最大のピアニストの一人ウラディミール・ホロヴィッツを生み出したことでも知られる芸術大国。今このウクライナ発の『ウクライナ・ポップ』という新しい音楽が徐々に注目を集めつつあります。実際この言葉を聴いてピンとくる日本人はまだ殆どいないでしょうが、東欧をはじめヨーロッパの国々ではウクライナ出身のアーティストは急速に影響力を伸ばしており、各チャートにも頻繁にインし始めています。

言語と歴史的アドバンテージ
一般的にウクライナ語が属するスラブ語派は特徴的な舌使い、やや攻撃的な息使いで初めて聞く人にとって多少耳障りに聞こえる場合が多いとされています。一方でウクライナ語は、この語派における例外的発声を行う言語であり、他の言語よりも比較的柔らかい子音とそれに伴う滑らかな発音を特徴とします。こうした影響からウクライナ語の発音は繊細で聞き心地が良い印象を聞く人に与えると言われています。

また、ウクライナの民謡や民族音楽に強い影響を受けている『ウクライナ・ポップ』は伝統楽器が使用されることも多いですが、そうしたエスニックな要素と現代のダンスやヒップホップの自然なブレンドが、独特なサウンドをつくり多くの若者に支持されているとも言われています。

実際に現在世界では空前のエスニックブームであり、K-POPをはじめ多くのアーティストは楽曲に部分的にエスニックな要素を入れることが増えています。例えばBLACKPINKのメンバーであるLISAのソロ楽曲「MONEY」では、アラビア旋律が絶妙なタイミングで導入され聴き手の注意を強烈に引いています(2:22~)。

『ウクライナ・ポップ』が自国の若者のみならず、東欧諸国を中心に世界中で徐々に注目を集め始めているこの状況下で、ウクライナの文化情報政策省も、自国の音楽を支援し、更なる発展を目指すためアーティストの活動をあらゆる面でサポートを始めているようです。以下では、そうした中で今後更に飛躍が期待されるアーティストを紹介します。

1.KAZK
ウクライナでは、多くの人気アーティストがウクライナ版X-FactorやTheVoiceといったテレビ番組から誕生しています。KAZKAはX-Factorに参加した後、国内で驚異的な成功を収めたバンドの1つであり、『Плакала』のミュージックビデオはYouTubeで5,000万回以上再生されたウクライナ語の最初の動画に認定されました。

2.The HARDKISS
民族音楽に強い影響を受けたプログレッシブロックバンドのThe HARDKISSのリードボーカル、ジュリア・サニーナの歌声は恐らくあなたがこれまでに聴いた中で最もクリアな声の1つでしょう。「Журавлi」ではウクライナ出身のアーティストがいかに自国の民族音楽に深い愛と影響を受けているかが分かる一曲です。

3.ジャマラ
ウクライナのネオソウルとエスニックフュージョンの特徴を併せ持つ彼女のサウンドは、独特で素朴な歌声と非常に無機質なインストでより一層独自性を増しています。音楽好きな両親の元育った彼女は、幼少期の大部分をクラシック音楽の勉強に充てていたようですが、実際にその影響は彼女の楽曲の随所でみることが出来ます

4.ONUKA
ONUKAの音楽は、電子音楽、民族音楽、実験音楽が見事に融合したハイブリッドです。特にウクライナの民族楽器を目立つよう意図的に使用して、先住民や歴史的エネルギーを積極的に伝えています。最新のシングル「Strum」は、伝統と革新のサウンドを融合させ傑作として本国で大絶賛を浴びました。

5.チーナ・カーロル
ウクライナを代表する歌手、チーナ・カロールは卓越した歌唱テクニック、独特な言い回しを含む歌詞、耳を切り裂くような透き通る高音を特徴としています。ピアノバラード「Космiчнiпочуття」では、そんな彼女の持つ超人的な演奏技術を感じ取ることが出来るでしょう。

6.FoSho
3人姉妹によって結成されたこのグループのルーツはエチオピアにあります。両親が80年代に大学進学のためにウクライナへ渡った後生まれた彼女らは、ウクライナの民族音楽のみならず、エチオピア、果てはアイリッシュや日本の民族音楽まで自在に操り強烈なビートを奏でます。

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